「うさぎにケージは不要?」海外で進む“うさぎの居住空間”見直しの動きとは

うさぎにケージは不要?

うさぎは「ケージで飼うのが当たり前」と思われがちですが、近年ではその常識が見直されつつあります。

アメリカのHouse Rabbit Society(HRS)やイギリスのRabbit Welfare Association & Fund(RWAF)といった動物福祉団体では、うさぎにとって快適で健康的な生活を送るためには、ケージ中心の飼育からの脱却が必要であると発信しています。

以下、海外の例を見てみましょう。

うさぎは「ケージで過ごす動物」ではありません

野生のうさぎは毎日広範囲を跳ね回り、巣穴を掘り、自由に動き回る生活をしています。そのため、狭いケージの中に閉じ込めてしまうと、運動不足やストレス、肥満、さらには異常行動の原因になってしまいます。

これまで日本では、幅60〜90cmほどのケージが推奨されることが多かったですが、それはうさぎにとっては寝る・食べる・排泄するだけの「最低限の空間」にすぎません。日中も長時間その中で過ごす生活では、身体にも心にも悪影響を及ぼすおそれがあります。

海外では「4畳以上の居住空間」が推奨されている

欧米諸国では、うさぎの生活空間について次のようなガイドラインが広まりつつあります。

  • 常時使用できるスペースは最低でも4畳(約2m×2m)以上
  • 立ち上がっても耳が天井にぶつからない高さ
  • 理想は24時間自由に動ける「フリースペース飼育」

とくに、RWAFが展開している「A Hutch is Not Enough(ケージだけでは不十分)」というキャンペーンは、うさぎを部屋の一員として迎え入れる飼育スタイルの普及を後押ししています。

ケージは「寝室」や「安心できる場所」として考えましょう

現代のうさぎ飼育では、ケージは常時の生活空間ではなく、うさぎが安心して休める「寝室」や「隠れ家」のような位置づけで使用するのが理想です。日中は外で自由に動けるようにし、ストレスの少ない環境を整えてあげましょう。

ただし、注意点としては以下のようなポイントがあります。

  • 電気コードや観葉植物などの危険物をあらかじめ撤去
  • フローリングの場合は滑り止めマットで足腰を保護
  • トイレの場所を決め、しつけと誤飲防止にも気を配る

日本の住宅事情に合った選択肢は?

日本ではスペースに限りがある家庭も多く、先ほど紹介したような飼育は難しいでしょう。日本の住宅事情にあった選択肢としては、「サークル + ケージ飼育」という方法がオススメです。ケージに隣接して1〜2畳ほどのサークルを設置することで、常に動ける空間を確保できます。

また、朝晩の決まった時間だけ部屋に放す時間制のフリー飼育も有効です。重要なのは、「ケージで飼うこと」が前提ではなく、うさぎの行動特性に合わせた環境作りを意識することです。

まとめ:うさぎが快適に暮らせる環境とは

うさぎにとってケージだけの生活は、決して理想的なものではありません。より広く、より自由な環境で過ごせることが、うさぎの健康と幸福につながります。

飼い主さんの住環境やライフスタイルに合わせて、ケージ中心からのステップアップをぜひ検討してみてください。小さな工夫が、うさぎとの暮らしをより豊かにしてくれるはずです。


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