日本でも事例のある うさぎ出血病ウィルス(RHDV2)の特徴と予防方法

2020 年 3 月——アメリカで兎ウイルス性出血病(RHDV2)が発生。2021 年現在でも収束していません。

RHDV2

RHDV (Rabbit Haemorrhagic Disease Virus) :兎出血病ウイルス

うさぎへの感染により致死率の高い出血性の疾患を引き起こします。

1984 年に 1 型 が中国で確認され、2010 年にフランスで 2 型が確認されました。
現在では 2 型が支配的な株となっています。

感染は、直接接触と、間接接触でも確認されています。

  • 直接接触
    感染したうさぎへの接触、その排泄物に接触。
  • 間接接触
    感染したうさぎやその排泄物に人間が接触し、人間が媒体となって感染させてしまう。

感染すると、数日の潜伏期間ののち高熱、発作、鼻や口からの出血、呼吸困難等の症状を呈し、多くの場合は死に至ります。

致死率が高く、現時点では有効な治療法が確立されていません。
ヨーロッパではワクチンが運用されていますが、アメリカと日本では承認されていません。

日本での発生状況

日本でも、すでに発生事例が報告されています。
今のところ、ただちに飼いうさぎへ感染するような流行の危険はありません。

  • 2019 年 5月
    愛知県の動物園のふれあいコーナーで飼育されていた 11 羽のうさぎが感染。その後、茨城、栃木などの施設でも散発的に発生事例。
  • 2020 年 7 月
    岩手県の動物園で飼育されていた 8 羽のうさぎのうち、5 羽がウイルスによる死亡と判明。

予防方法

現在わかっている予防方法は、以下が挙げられます。

  • 手洗い
    人間が媒体となって感染させてしまうこともあるため、手洗いは基本です。
    このウイルスにはアルコールが効かないため、次亜塩素酸水での消毒が有効とされています。(新型コロナウイルスとは異なる構造で、ノロウイルスと同じノンエンベローブウイルス)
  • 他の動物(他の飼いうさぎ含む)との接触を避ける
    特に、他の飼いうさぎとの接触は、感染の危険があります。自分の家族、周りの大切な家族を守るためにも、他の飼いうさぎとの接触は避けましょう。

うさぎにもソーシャルディスタンスを

日本においては、野生のうさぎが多く生息している「大久野島」への感染が起こらないか懸念されるかもしれません。ただ、大久野島は動物の持ち込みが禁止であること、島という物理的に離れた環境から、不安は少ないかもしれません。

野生のうさぎだけではなく、特に他の飼いうさぎとの接触は避けるよう、うさぎにもソーシャルディスタンスを心がけていきたいものです。
あなたの大切な家族を守るために。

参考