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うさぎの腸内環境は年齢や品種で変わる? 健康を守るために知っておきたいお腹の話

うさぎの腸内環境は年齢や品種で変わる?

うさぎの毎日の健康管理でチェックするのが「お腹の調子」です。うさぎのお腹の中・腸内環境は、年齢やうさぎの品種によっても違っていることが最新の研究でわかってきました。

うさぎのお腹には“細菌”がたくさん!

うさぎのお腹の中にも、他の動物たち、人間と同じく「腸内細菌」と呼ばれる細菌がたくさん住んでいます。これらはうさぎの体に良い働きをするものが多く、たとえば

  • 食べ物の消化を助ける
  • 病気に対する抵抗力を支える
  • ビタミンを作る

など、うさぎが元気に暮らすために欠かせない役割をしています。

年齢や品種でお腹の中が変わる!?

最近の研究によると、うさぎの年齢や品種によって、お腹の中に住む細菌の種類やバランスが違うことがわかってきました。

研究結果:Gut microbiota variations over the lifespan and longevity in rabbit’s maternal lines (ウサギの母系における寿命と長寿にわたる腸内細菌叢の変動)

たとえば、

  • 若いうさぎ
    エネルギーをたくさん使うため、食べ物をしっかり分解する細菌が多めです。
  • 年をとったうさぎ
    一部の細菌が減りやすくなり、消化力が落ちることがあります。
  • 品種による違い
    大型種と小型種では、腸内細菌の種類に差があることがわかっています。
    大型種のうさぎは腸が長めで発酵させる力が強い傾向があります。その代わり消化に時間がかかり、ガスが溜まりやすいという報告もあります。
    小型種のうさぎは腸も短く消化スピードが速いです。エネルギー消費も大きいため糖を分解する細菌が比較的多いとされています。一方、繊維が少ない食事を続けると腸内細菌のバランスが崩れやすいという報告もあります。

うさぎのお腹の環境は、みんな少しずつ違うということですね。

腸内環境が乱れるとどうなる?

腸内環境のバランスが崩れると、

  • うんちが小さくなる、出なくなる
  • お腹が張って痛みが出る
  • 食欲が落ちる
  • 毛づやが悪くなる

など、うさぎにとって大きな問題が起きやすくなります。うさぎは「お腹が弱い動物」とも言われるほど、腸のトラブルが命に関わることもあります。

健康な腸内環境を保つために

うさぎの腸内環境を守るために、飼い主ができることはたくさんあります。

牧草を主食にする

牧草(チモシー)には繊維が多く含まれ、腸の動きを助けます。チモシーのなかでも「1番刈り」がオススメです。

食生活の急な変化を避ける

食事を急に変えると、腸内の細菌バランスが乱れてしまいます。新しいペレットやおやつは少しずつ試すのがポイントです。お腹の調子が悪くなった時にはすぐに元に戻しましょう。

定期的な健康チェック

うさぎのケージは毎日掃除しますが、うんちの大きさや形を観察する習慣をつけましょう。少しでも異変があった時には何が原因か考え、場合によっては病院に連れて行くことも検討しましょう。お腹のトラブルは早期発見がカギです。

今後注目される腸内細菌の検査

海外ではうさぎのうんちを調べて腸内細菌のバランスを分析する研究が進んでいます。

「腸内フローラ」という言葉を聞いたことはありませんか?
人間でもとても注目されているもので、腸内の細菌が免疫やストレス、肥満などさまざまな健康に関わることがわかってきているのです。うさぎも同じように、お腹の細菌のバランスが健康のカギを握っていると言えます。

将来、うさぎの腸内フローラを検査することで、

  • その子に合った食事の提案
  • 病気の早期発見

などが可能になるかもしれません。

まとめ

人間もそうなのですが、うさぎの健康も見えない「お腹の環境」に大きく支えられています。同じうさぎであっても、年齢や品種によってお腹の中は少しずつ違っています。

飼い主さんができることは、牧草を中心にした食生活と日々の観察です。これがうさぎの健康を守る一番の近道です。

腸内環境に関する研究は今後注目される分野であると言えるでしょう。人間で話題になっている「腸内フローラ」は、うさぎにとってもとても大切なキーワードです。うさぎを飼う皆さんも、ぜひ注目してみてください。