うさぎとマイクロチップ

うさぎとマイクロチップ

マイクロチップとは

動物の皮膚の下に埋め込むカプセルで、中に IC チップが含まれています。
標準的なペット用マイクロチップは、直径 1〜2mm、長さ 8〜12mm の円柱型のカプセルです(長さは 1 円玉の「 1 」の数字の大きさ程度です)。

IC チップには個体識別番号が登録されており、これを専用の機器を使って読み取ることで、その動物が誰に飼われているのかの情報を取得することができます。

装着部位は、犬猫の場合は背中(左側肩甲骨)で、注射器のようなもので注入します。
装着時に痛みが少ないため、麻酔の必要はなく、毛を剃る必要もありません。カプセルは生体適合ガラスで覆われており、時間が経つと体内の組織と結合して固定されます。

電池はなく、半永久的に使用できます。

安全性に関しては、日本ではマイクロチップの副作用、ショック症状等の症状は報告されておらず、「今のところ副作用はない」とのことです。

動物愛護法による装着の義務化

2019 年 6 月、動物愛護法が改正されました。
今回の法案では、犬猫の販売業者らにマイクロチップ装着を義務づけることなどが柱になっており、法律が施行されると、犬猫の販売時には、必ずマイクロチップが装着されるようになります。(法律は、成立 → 公布 → 施行、という手順を踏まれます。2020 年 現在では「公布」が終わった段階です)

マイクロチップ義務化の背景には、ペットが迷子になったときの身元証明が一番の理由として挙げられています。

また、ペットの飼い主に対しての管理責任が明確されることで、遺棄などの抑止という効果も期待できます。

なお、今回の法改正では罰則規定はありません
(ただし、販売店はきちんと義務を果たすようになると思われますが……)

うさぎのマイクロチップ

今回の法改正では、マイクロチップの装着が義務化されたのは犬猫のみです。
今後、ほかの動物にもこの動きが広がるのでしょうか?

うさぎに関しては、室内で飼育されていることが多く、外で散歩をすることも犬に比べると遙かに少ないため、迷子になったときのための識別、という意味では、私はあまりメリットがないように思います。

ただし、近年、ペットとしてうさぎを飼育する人が増えてきたことに伴い、遺棄されるうさぎが増えてきています。この状況が続くと、飼い主の管理責任という意味で、装着の義務化もやむなしという状況になってしまうかもしれません。

うさぎの場合、繁殖力が強いことから、あまり考えずに繁殖させる無責任なブリーダー(個人含め)に対しても責任が生じるような仕組みにしてほしいと思います。

マイクロチップ義務化が考えるきっかけに

そもそも、家族であるペットが迷子にならないようにきちんと見守る必要があります。
ペットとして動物を迎えたからには、その生涯を最期まで見届けるという義務があります。

今回の法改正により、われわれ一人一人がそのことを真剣に考えるきっかけになると良いと思います。

 【 参考 】