うさぎを飼育していると、毎日のフード選びに悩むことも多いのではないでしょうか。とくにペレットに関しては、「どれを選べば健康に良いのか」「糖分や穀物が多いとどうなるのか」といった疑問を持つ飼い主さんもたくさんいることと思います。
最近では、海外を中心に「糖質を抑えたペレット」への関心が高まっており、日本でもその流れが少しずつ広がりつつあります。この記事では、うさぎ用ペレットの成分表示の見方や、糖質カットの重要性について解説します。
なぜ「糖質カット」が注目されているのか?
うさぎの主な健康トラブルのひとつに「胃腸うっ滞」があります。これは、胃腸の動きが弱くなり食欲不振や便秘、最悪の場合は命に関わる症状へとつながる恐ろしい病気です。
この胃腸うっ滞の大きな原因のひとつとされているのが、糖質や穀物の過剰摂取です。甘いペレットやおやつを習慣的に与えることで、腸内環境が悪化し、毛球症や食欲不振を引き起こすリスクが高まってしまいます。
そのため、糖質を抑えた「チモシーベース」のペレットが、健康志向の飼い主さんの間で注目されています。
ペレットの成分表示のチェックポイント
ペレットのパッケージには、以下のような成分が表示されています。 • 粗繊維(Crude Fiber):18%以上が理想。うさぎの腸の健康維持に不可欠です。 • 粗タンパク(Crude Protein):12〜14%程度が適正。成長期や高齢期で調整します。 • 粗脂肪(Crude Fat):低め(2〜4%)が望ましい。肥満防止につながります。 • カルシウム・リン比:バランスが取れているもの(Ca:Pが1.5:1前後)を選びましょう。
特に注意すべきなのが、「糖質」や「穀物の有無」です。成分欄に以下のような表記がある場合は、慎重に検討したほうがよいかもしれません。これらは糖質が高く、依存性や肥満のリスクを高める要因になります。 • トウモロコシ(Corn) • 小麦粉(Wheat Flour) • 糖蜜(Molasses) • フルーツ粉末(Dried Fruit)
海外ブランドに見る「成分重視」の傾向
アメリカやイギリスのうさぎフードブランドでは、以下のようなトレンドが見られます。 • 100%チモシー使用のペレット • 甘味料・人工着色料不使用 • 成分の透明化とラベル表記の強化 • グレインフリー(穀物不使用)
特に「Oxbow」「Sherwood」「Science Selective」などは、獣医師と共同で開発された成分設計を採用しており、糖質を最小限に抑えた健康重視型ペレットとして人気があります。
市販品を選ぶ際のおすすめ基準
日本でペレットを選ぶ場合にも、次のような視点を持つと安心です。 • チモシーが主原料であること • 甘味料・糖質が入っていない、もしくは少ないこと • 1日に与える量が“補助的”である設計になっていること
うさぎの主食はあくまで「牧草(チモシー)」であり、ペレットは栄養補助食品という位置づけです。うさぎの体質やライフステージに合ったものを選び、量を調整しながら与えることが大切です。
■ まとめ:成分表示を読むことが、うさぎの健康を守ります
かわいいうさぎには、いつまでも元気に過ごしてほしいものです。そのためには、毎日口にするペレットの成分に目を向けることが大切です。
「糖質カット」の傾向は、うさぎの健康志向の高まりを象徴するものでもあります。飼い主としてできることのひとつが、フードの裏面を見る習慣をつけることかもしれません。
ぜひ今日から、うさぎのペレット選びを見直してみてはいかがでしょうか。